ミスを漏らさない行動癖付け

コンサルになって一番最初に必要なのは、「ミスを漏らさない行動癖を付ける」ということだと思っている。

色々な知識/スキルを吸収することも大切なのだけど、大前提は作業の正確性。特に数字/Excel作業について。

言われなくても「ミスは絶対ダメ」ということは分かっている。そして、意識もしていると思う。

けれども、意識をしているということと「ミスをしない」ということは全く違う話。

必要なのは「ミスをしない」ではなく、「ミスをしても、自分の手を離れる前にそれに気付き、顧客/上位者まで漏らさない」ということ。(勿論、極力ミスを減らす意識も必要だが)

ミスを完全に無くすというのは不可能で、それを前提にすると危険。

世の中の重大事故の多くはヒューマンエラーが要因。ヒューマンエラーはどうやっても無くならないので、ヒューマンエラーが発生することを前提としたリスクマネジメントの仕組みが重要。

マネジャー以上の立場になると、下位者が出して来た作業については相手の信頼性に応じてチェックをかける。ミスを顧客まで漏らさないために。

Excelの場合、信頼できる相手の作業であれば数字の程度感や整合性のチェックをするだけだが、信頼できない(もしくはまだ信頼度が分からない)相手のものであればセル単位のチェックをする。

スタッフの立場から考えると、早くに「信頼できる相手」と見てもらえるようになることが必要。セル単位のチェックをされるということは、それだけマネジャーの時間を奪っているということになるわけで、プロジェクト全体としての価値を毀損することに繋がっている。

「ミスは絶対ダメ」ということを頭で分かっていてもミスが生じる(マネジャー以上に気付かれる)人は、ミスが生じることを前提としたチェック行動が癖付いていない、もしくはやっているけどいい加減になっている。

食品生産の現場で、目検工程でボーっと眺めているようなもの。

(ちなみに、私は大学入学直前の春休みにある大手の食品工場でバイトをし、この工程をやったことが有るのだが、ラインを流れる小さい製品(包装の前段階)を見続けると凄い眠くなって欠陥品を見逃すことが有った・・・)

Excel作業の場合、ミスは凡そ

  • 基データの取り違え
  • セルの参照ミス
  • 数式のタイポ(四則演算記号・括弧位置等)
  • コピー(Ctrl+r/d)ミス(途中で止まっている等)

といったものに分類されるかと思うが、作業後に自分が行った作業を頭の中で最初から反復し、実際にその通りに作業が行われていることを指差し確認する癖を付けることが必要。

「この統計情報のこの年度のこの部分を使っているはず」→「しっかりと使っている」

「この項目を参照しているはず」→「しっかりとできている」

といったこと。

慣れて来ると、この作業が面倒臭くなる。「大丈夫だろう」という感覚を持ってチェックするので、結局、検査工程でボーっと眺めているのと同じ状態になる。

また、締め切りに追われると省いたりするケースも有るように見える。

慣れてきた頃が危ない。それなりにスキルも上がり、ミスが無くなって来た頃に、大きなミスは生じる。

意識を締めなおすことを定期的にやることが必要。これはどの立場になっても。

基本なので敢えて言われなくても、と思うだろうが、言われ続けないと希薄化する意識なので、敢えて言い続けたい。

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