「まあまあ優秀」までは意識次第で行ける

 昨日書いた下記の記事に対する補足。

takashi-kogure.hatenablog.com

 

コンサルファームにおける評価の軸は

  • 資質
  • 能力・スキル
  • 意識(マインド)

の3つの要素が有ると思う。

 

資質は主だったものとしては頭の回転。

能力・スキルはコンサルの仕事を進める上でほぼ全てをカバーするもので、数値分析やプレゼンテーションといった表面的に見えるものから、思考能力といった見えないものまで含む。

意識は文字通り。

 

この中で、「資質」に関しては先天的なもので勝負がほぼ決まると個人的には考えている。正しくは、後天的にどうにもできないものを「資質」と呼び、後天的なものを「能力・スキル」と称している、というのが正しいかも知れない。

例えば「論理的思考能力」と言うものは、「テクニック」に近い性質も有り、これはある程度訓練で身に付けることが出来る。とは言え、コンサルタントとして勝負する上で求められる「論理性」については、正直、訓練でどうにかなるものではないと感じている。

 

一方で、「能力・スキル」と「意識」については、スタッフレベルであれば、どうにかなると感じている。

そして、この2つについては、「意識さえ備わっていれば、能力・スキルは後から付いてくる」と感じている。

「意識」が先で、「能力・スキル」が後。

 

 

これらを踏まえて「優秀」と評されるために。

 

「頭の回転やコミュニケーションといった要素は前提とする」と書いたが、この部分について補足。

 

「かなり優秀」と評価されるためには、これらの要素について同期などの中で上位2割に入っていることが必要条件だと思う。

一方で、「まあまあ優秀」という評価を受けるためであれば、少なくとも戦略系ファームに関しては入社時にかなり選別されており、下位2割に入らなければ、必要条件としては満たしていると思う。

但し、これはあくまでも「スタッフとして」という前提において。

 

スタッフのうちは、資質を能力・スキルである程度カバーできる。そして、それは意識によって何とかなる。

つまり、スタッフの間に限定すれば、(ファームの選考に通過した人であれば)8割程度は、意識次第で「まあまあ優秀」以上の評価を受けられると考えている。

(マネジャー以上になると、努力だけではどうにもならない部分が増えて来ると感じているが)

 

正直、スタッフレベルで「まあまあ優秀」と「普通」の間で、資質について有意な差は殆ど無いと感じている。意識の持ち方と、それに基づく行動の徹底度合いで決まると考えている。

結局、昨日書いたのは、この「意識の持ち方」の部分になる。

 

特に戦略系ファームの場合、平均程度の人でも地頭などは非常に良い。

しかし、間違った意識の持ち方、仕事への取組み方によって差を付けられることが多く、勿体無いと感じることが非常に多かった。

 

しかも、入社時点での意識差はそこまで大きくないと思う。

そもそも、「まあまあ優秀」という評価を受ける人も、最初はそこまでしっかりとした意識が出来上がっていない場合が多い。「勘違い」が多い、と言えるかも知れない。

しかし、結果的に高まる人は、入社後早い段階で意識が大きく変化していると感じる。これは上位者・先輩からの指導によることも有るし、自分自身で気付く人も居る。いずれにせよ、仕事に対する取り組み方・考え方が大きく変わる。

「最初はしっかりとした意識が出来上がっていない」と書いたが、「意識も含めて自分を高めたいという意識が高い」とは言えると思う。このような気概と素直さを持っている人の評価が高まる。

逆に、「普通」で終わる人は、どこまで行っても意識面で欠けている要素が消えない。

 

能力・スキルについては、どの道、コンサルタントに求められる要素は多過ぎて、全てを網羅することは不可能。

確かにExcelを用いた分析等は基本で、それが欠けていると全く通用しないのだが、仮にそれを身に付ける機会が無いまま経過したとしても、意識さえ有れば、ビジネスDDを1,2本、本気でやれば、簡単に解消できる。その程度のもの。

 

能力・スキルについては、それ自体の高低よりも、「能力・スキルを習得する能力」の高低の方が数段重要。そしてこれは「意識」に他ならない。

 

 

精神論になってしまうが、これらのことはコンサルタントに限らず言えることだと考えている。

 

私は最初の会社に入社時、新規営業が主な仕事だった。

営業という仕事は「センスが必要」ということを良く言われる。確かに、「スーパーセールス」と言われる人は、私が見て「凄い」と思う人から見ても違うらしい。

しかし、そのようなほんのごく一部を除くと、成績の差は意識とそれに基づく行動の差で説明が付くと思う。

 

新規営業の場合、ザックリ言えば「アプローチ数×成約率」で成績が決まる。

そうすると、成績を伸ばすためには

  • アプローチ数を増やす
  • 成約率を高める

の2つの方法しかない。(勿論、もっと分解して考えているが)

 

成績が上がらない人に限って、アプローチ数が足りない(要するにサボっている)し、成約率を高めるために頭を働かせる(様々なことを試したりする)ということをやっていない。

そして、成績が上がらないことを「センスが無いから」という理由で片付けようとする。

 

コンサルで言えば、マネジャー手前まではそこまでセンスは求められないはず。

仮にそれまでの段階で評価が上がらないとすれば、意識が足りないか、それでなければ根本的に資質が欠けているのか。

 

 

一つ重要なのは、「必要な意識を備えている」と自分では考えているが、傍から見ると「勘違い(しかも相当に)している」というケース。これは少なくない。

これを避けるために、先輩などに意見を求めることが必要だと思う。

 

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