「とっ散らかる」ということ

Twitterで書いた下記の点について。

若手の頃の評価で「優秀」か否かというのは、「決められたことをそつなくこなす」という軸に重きが置かれていると思っている。
コンサルで言えば、「お作法」に則った調査や分析、資料の取りまとめ等々をそつなくこなす。討議会で進行を無難にこなす。こういったことが重視されていると思う。

この軸だと、マネジャー位までは問題無いのだが、そこを突破してコンサルタントとしての勝負に入った時に厳しい。マネジャーからパートナーになれるか否かは、かなりはっきりと分かれる。恐らく、マネジャー昇進の時以上に。

この差が「とっ散らかる」という局面を経ているか否かのように感じた。

この「とっ散らかる」の意味。慎さんがどういう意図でお使いになったのかは分からないが、私的には「色々と勝手にやってみる」ということだと捉えている。
案件で、パートナーやマネジャーから「こういう感じで」と言われているのだが、そこに自身の意思を織り込み、「こんなことやってみたら面白いんじゃない?」とやってみる。パートナーに議論を仕掛ける。

これは「やらかす」ということに繋がり易い。
時間がギリギリの時にこれをやられると困るのだが、余裕が有る時は面白いので眺めている。
大概は全く無意味で、ただバタバタして終わるのだが、たまに面白い結果に繋がる。
やらかしても良いので、そこから学びを得れば良い。

「敷かれたレールから外れる」ということだと思う。レールの上を走っている時に、「こっちに行ってみたら楽しいんじゃね?」と、新しい道を切り拓こうとする。

敷かれたレールを走り続けている限り、その仕組みの上で「そつなくこなす」能力のみが高まる。
確かに、組織の中で一定数そういった人も必要なのだが、やはり、これだけでは価値を出せるようにはならない。「決められたことをそつなくこなす」ということで「優秀」と呼ばれるのは、ある限られた組織のある限られた職位まで。

「大企業の人」が「10年後が見える」というように言うことが良く有る。面接の場でこのようなことを述べる人が多いと感じている。「だから今の会社(大企業)を辞めたい」と。

しかし、この認識自体が違うのだと思う。
このような「大企業の人」は、そのようなマインドだから「大企業」の歯車として生きるしかなくなるし、そのような人がコンサルに転職したからと言って、何か価値を生めるような人になるはずがない。

このような人は、「大企業の人」のままである方が幸せだと思う。今の会社にしがみつくことをお勧めする。

「大企業の人」であっても、その中で優秀と評される人の多くは、かなりとっ散らかった経験を通じて今の立場にある。ただ言われたことをこなすのではなく、自分自身の頭で必要な行動を考え、トライしてみる。

基本的に「大企業の人」は基礎能力が高い。
そのような資質を持った人が、自分自身の頭で考えてとっ散らかり、そこから学びを得て(纏めて)成長している。その経験の過程で、その領域での経験も非常に多く積み上がる。
「大企業」でリーダーシップを取っている人というのはそういう人達。

そのような人と対峙しなければいけないのが戦略コンサルタントだとすると、それ以上の「とっ散らかり」が無いと厳しいと思う。

「10年後が見える」と言うのは、あくまでも歯車の中で基幹部分程度の話。そこまでは連続的な成長で達するが、それを超えるレベルにはどこかで非連続的な成長が必要。
これはコンサルであれ事業会社であれ、変わらないと思う。

本人が「10年後が見える」と言うのは、「歯車」を超えた部分を見えていないということだと思うし、傍から見て「10年後が見える」と感じるのは、非連続的な成長を遂げるために必要なものが備わっていないということだと思う。

ちなみに、「とっ散らからないと」といったことを言うと、プライベートでとっ散らかる方向に行く人が出て来る。変な勘違い。
プライベートでの武勇伝を語り出す。

そういうことではない・・・。

必要なのは、仕事でやらかした経験と、そこから得た学びを語れること。
(プライベートのとっ散らかりも確かに学びは有るのだろうが。)

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