Twitterで書いた下記の点についての補足。
本当に駆け出しの頃は選り好みすべきでないと思っている。全てが自分の糧になる。
しかし、若い頃は幅を広げることも大切だし、明確に「違う」と思うことは断った方が良い。
優秀な人ほど何も言わなければ都合良く使われる危険性が高い。 https://t.co/t1r6CmEXMD— 小暮 隆(仮名) (@KogureTakashi) 2020年3月3日
若手は「案件の選り好みは良くない」というように言われることも多いのではないかと思う。「全てが成長の糧になる」というような理由で。
これは正しいと思う。若いうちは、どのような経験でもあっても、それに対してしっかりと頭を回して臨めば成長に繋がると思っている。
しかし、この中には「『優秀じゃない』と感じるマネジャーからも反面教師的に学べる」といったような消極的な意味も含まれていると思っている。
そのため、本当に成長を追求するのであれば、やはりどこかのタイミングからは「選り好み」をした方が良いと感じる。
「選り好み」をする上では、下記のようなことは念頭に置いた方が良い。
- アソシエイトとして一定の評価を受ける(=仕事を任される)までは選り好みしない
- 「食わず嫌い」はせず、二度までは経験する
- 選り好みにより「干される」ことは覚悟する
アソシエイトとして一定の評価を受ける(=仕事を任される)までは選り好みしない
一定の仕事を任されていない、ということは、そもそも上位者の言う通りに目先の作業をやっているだけであり、正直、どのような案件でも大差無い。この時点での「楽しい」、「楽しくない」といったことは「観客」の視点。
勿論、身に付くスキルは違うのだが、この段階で身に付くスキルなどは大概、本気になれば1ケ月も掛からずに習得できるもの。
まずは与えられた仕事で一定の評価を得る。ここから始まる。
「食わず嫌い」はせず、二度までは経験する
若いうちの興味・関心というのは結構あてにならない。取り敢えずやってみると、意外と楽しいといった感覚になることがある。
また、仕事の幅は広げた方が良い。特に真の意味での戦略コンサルタントを志向するならば。
「二度」という意味については、一度だと大局的に見えないから。どのような案件でも初めての経験だと目先の作業で手一杯になると思う。それが終わった際に全体を自分なりに振り返って二度目に臨むと良いと思う。違った景色が見えるはず。
難しい本を読む時と同じようなものかも知れない。
但し、特に定型的な案件などで評価も固まっている(「一度経験すれば十分」)類のものについては一度で良い。
選り好みにより「干される」ことは覚悟する
スタッフが選り好みをした時、自分が評価されていない場合には「干される」リスクがかなり高まると考えた方が良い。これは覚悟すること。
勿論、優秀な人であれば全く心配する必要無い。
私自身、実は若い頃からかなり選り好みをしていた。殆どが「食わず嫌い」。
このまずさに気付いたのは戦略系でマネジャーになって以降。そこから急いで穴を埋めるために様々な種類の案件を経験しにかかったのだが、スタッフ時代に経験するのとマネジャーで経験するのは訳が違う。学びながら案件を回さないといけない。
これは絶対に避けた方が良い。(非常に苦労した)
しかし、最低限の留意はした上で、やはり明確に自我を持った方が良い。
特に総合系ファームは非常に危険だと思っている。
「人材が唯一の資産」といったことが謳われているが、実態としては都合良く使い倒しているだけ。自分自身が若い頃に感じたし、今、マネジメント側に移っても感じている。(戦略系も近しい感覚に陥っているファームも有るだろうが)
優秀な人程、都合良く使われる。
この点は気を付けた方が良い。