PowerPointの出番は最後の最後

プロマネを任せているスタッフから金曜日の夕方に「先方に出すスライドのイメージはこんな感じですかね」と、かなり見た目的に仕上げたスライドが送られて来た。

正直、パッと見では綺麗に仕上がっていて、何だか尤もらしいのだが、まずもって何を言いたいのかが分からない。
話をしていると、そもそも、何を言いたいのかが固まっておらず、「取り敢えず作ってみた」という感じの模様。

中途入社から1年ちょっとで、それなりに器用にこなしているのだが、根本の部分についての認識がややずれていると感じた。

これは前職時代にも感じたのだが、何となく、「自分が考えていることをスライドで素早く作れる」ということを「優秀」さの軸として考えているような向きが有る。

確かに、スライドを短時間で作れるようになることは不可欠なのだが、その前提は、スライドで言うべきことをしっかりと固め、それを表現する手法が身に付いていること。
若手を見ていると、「コンサルが作ったっぽい」資料を作成することだけが上手くなることが多い。

これは、しっかりとしない上位者の方が問題で、一つ一つのスライドで「何を伝えるのか」ということを本気になっていないのだと思う。なので、軽慮浅謀なスライドの量産がされ、それをもって「コンサルの仕事」と捉える風潮が出来るのだと思う。

スライド作成が上手い・速いのは、「優秀」なわけではなく「便利」なだけ。

スライド作成は単なる「作業」。それ自体に大した価値は無い。しかも、スライド作成は思ったよりも時間を取られやすい。
また、一度作成したスライドの修正は、下手すると新規に作成するより時間がかかる(ので、ゼロベースで作り直すことも多い)。

そのため、まずは「何を言うのか(メッセージ)」と「どのようにそれを表現するのか(構成・デザイン)」をしっかりと固め、上位者との認識を合わせる。
前者はメモ帳などのテキスト、後者は手書きのデッサン。

特に、レビューを受ける立場の人は、これらをしっかりと考え、上位者とのズレが生じないようにすることが必要。

そして、最後の最後でPowerPointを立ち上げる。専門スタッフが居る場合にはその人に依頼する。

とにかく、「コンサルっぽいスライド」を作って仕事をした気になることから抜け出すこと。

加えて、毎週数十枚単位でスライドを作っている、という人が居たりするが、それは「考える」ということを殆どしていないと思う。
確かに案件&立場的に、機械のようにスライド作成をしなければいけない時も有るが、アソシエイトになってそのような状態というのは間違っている。

報告書や会議資料のページ数を極力減らすこと。これも必要。

分厚い報告書を作って仕事をした気になることからも抜け出すこと。

スライドは勘違いを生み易い。

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