「報連相」の意義

「報連相をしっかりと」とは入社1年目の社員が徹底的に言われるようなこと。組織で働く上での基本中の基本のように取り扱われている。
このやり方にも色々と思うところは有る(特に「相談」について、自分の意見が無い状態でただ聞いてくるだけ・・・など)が、それは置いておいて、報連相の意義について。

組織として動く中では、役割分担や権限委譲などが多く行われる。そのような状態の下で潤滑に組織が組織として機能するために必要となるのが「報連相」であり、そのような理由から報連相は不可欠であることに異論は無い。

これに加えて、特に下位者の立場で報連相をしっかりと行う意味について。

仕事の面で成長をする上で、少しストレッチをした課題/大きな塊の仕事を行うことが非常に重要だと思う。言い換えれば、成長をするためには如何にストレッチした課題/大きな塊の仕事を任せてもらうのかを考えることが必要になる。

上位者の立場から見た時に、「この人はこの位まではできる」という見極めの上で、その時の状況から取れるリスクを勘案して仕事を任せることになる。

どの程度できるのかは日常的なやり取りの中で感覚的にある程度は分かる。「彼はこの程度までは行けるけど、多分この辺で行き詰まる」、「彼女は経験が無いだけで、やらせればここまでできる」といったことは常に意識して仕事の割り振りの仕方を考えている。

一方でこれだけで割り振るものを決めるわけではない。「やってみたけれど出来なかった」は育成過程において頻繁に起こる。その際にリカバリにどの程度の時間を要するかを考えておく必要が有る。

その際に重要になるのが、その人の「報連相」のタイミング。

これは人によって結構差が出る。
こまめに状況共有をする人も居れば、定期的な会議でしかしない人、聞かないとしない人、更には聞いても適切な状況共有が無い(「大丈夫です」といった返答しかない場合など)人等々。細か過ぎて「少しは自分で考えてから相談に来い」と言いたくなる(あまりに酷いと実際にそのように伝える)ケースも有る。

上位者から見ると、このタイミングが悪い人は計算が立て辛くなる。適切な頻度で共有して来る人の場合には駄目でもリカバリが効くが、共有が無いと時間的に大きなロスをしたり、顧客との関係性の面で取り返しが難しい状態になるといったリスクが生まれる。そのため、タイミングが悪い人にはあまり大きな塊の仕事や責任の有る/難易度の高い仕事を任せづらくなる。

適切な報連相のタイミングは、立場や上位者・下位者の関係性(一緒に仕事をした経験が長いのか短いのか 等)、その人のレベル(どの程度まで自己解決が可能なのか 等)によって変わって来るので一概に言えない。しかし、最初のうちはこまめに共有をしておいた方が無難だと思う。

仕事の割り振りは上位者の役割なので、大きな塊での仕事などを与えて欲しいのであれば「何か状況が変われば報連相が有る」という信頼感を上位者に対して与えられるような仕事の進め方をすることが必要だと思う。

「組織で動く上での基本中の基本」とは言え、結構軽んじる人が多い。単に面倒臭い社内業務の一つと捉えられているからだと思うが。
自己成長の観点から見ると、少し違う意義が有ると思う。

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