「知っているけど情報が古い」は「知らない」よりも危ない

意思決定をする際の前提となる情報。

これらについては「知らない」ままで進めるのも問題だが、「知っているけど古い」という方が遥かに危険だと思う。

しかし、実際にはこういった状態で意思決定をしているケースが結構多いと思う。

 

「現場を知り尽くしている」という本社の人

「その国に精通している」という駐在経験者

 

などなど。

 

これだけ色々と変化している世の中で、10年前の情報などというのは無意味に近い。しかし、そのような情報を疑いもせずに使っていたりする。

「知らない(分からない)」ということが明確になっていれば、仮に事前に情報を得られないとしても、暗闇の中を歩くように恐る恐る動くという行動に繋がり易い。

しかし、情報が古い場合には、当人達は「正確な情報を持っている」という前提なので、大胆に動きかねない。

 

自分自身、元々頻繁に行っていたある東南アジアの国に3年振り位に訪れ、インフラの変化に驚愕したことが有った。

道路も違えば、走っているトラックも国を挙げて全て買い替えたのではないか、という位に違う。電気・水道・通信等も同様。

当然、急速に発展し変化しているということは想定していたのだけれど、以前に訪れていた当時に予測されていたスピードを遙かに上回る速さで変化していた。

 

企業の中も同様で、世の中が変化していれば「現場」も当然変わる。

 

「知らない」と自覚している人は聞く耳を持っていることが多い。

本社経験しかない人の方が現場の意見を尊重するし、海外市場について知見が無ければ調べて回る。

 

一方で、「自分は良く知っている」と思っているほど、人は(勿論、全員ではないが)聞く耳を持たない場合が多いと思う。社内で色々な情報が上がって来ても、「自分の方が知っている」、「それを踏まえると、この情報は間違っている」と跳ね返してしまうような。

変革を図る上で、こういった人の方が抵抗勢力になるケースが多いように感じる。

古くなって間違っている現場認識を持って「現場の代弁者」となっている・・・など。

 

とは言え、これはコンサルをやっている立場でも言える。

前述の東南アジアの国のケースもそうで、自分ではその国についてある程度知っていると思っていたので、軽く聞かれたような状態であれば、自分の持っている情報を伝えてしまっていたかも知れない。

業界の知見なども同様。

 

「良く知っている」つもりになっていたら、少し立ち止まった方が良い。

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