数字は比較で意味を持つ

今日は余裕が有るので、書斎で雑務を片付けながらテレビをかけていた。

各局同じような感じで、「新型コロナウィルスの感染者が2万人超え、死者も400名超」ということで何だか大騒ぎしている。

まだ対処法の無いウィルスなので感染拡大に対して気を付けないといけないのは確かなのだが、(メディアの常だけど)無駄に不安を煽っているだけだと思う。

 

「感染者数2万人」という絶対値を多用して「凄い感染者数になっている」という印象を必死で与えようとしている感が有る。また「世界中に感染している」というのだが、中国13億人超の人口に対する2万人、しかも、海外での感染者は数名単位。

 

コンサルの仕事をしていても、ある数字を持ち上げて、さも凄いことになっているかのように語る人が居る。

けれども、数字はそれ自体では何も分からない。比較をして初めて意味を持つ。

例えば「営業利益率10%」と言った時に、業種によってその意味は全く違う。

 

比較の基本は他の物(企業分析の場合は同業他社など)との比較か、時系列での比較。

必ずこれを踏まえて考えることが必要。

 

新型コロナウィルスについて。

 

まだ今後の拡大の可能性も有るので一概には言えない(感染力についての言及も必要)が、インフルエンザウィルスと比較してどうなのか。

今冬、米国だけで1,500万人が感染し、8,200人が死亡しているらしい。

CNN.co.jp : 全米で1500万人が感染、死者8千人超 過小評価されがちなインフルエンザの脅威

 

人口3億人超の国で8,000人が死亡しているウィルスは取り上げられないが、13億人超の国で400人が死亡しているウィルスは大騒ぎをし、不安に襲われている。

 

数字は非常に強い影響力を持ち、思考を誘導できる。

逆に言えば、数字をしっかりと読まないと印象操作され、誤った判断・行動に繋がる。

 

数字を扱う上での基本は「定義の確認」と「比較」。

この認識は、コンサルタントに限らず全てのビジネスパーソン、そして社会人に不可欠だと思う。

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