コンサル転職希望者の職務経歴書について

中途採用の書類選考をしていて、いつも気になるのが「職務経歴書」。

様々な応募者のものを見ているが、殆どが同じ様式で、書きぶりも同じ。

恐らく、エージェントの雛形をそのまま使っているのだろうが、もう少し工夫できないものかと感じる。

 

とにかく文字が多く、パッと見て「何を伝えたいのか」が理解できない。

以前、スタッフが作った資料が詳細な情報の羅列になっていて、「この紙だと何も伝わらない」という指摘をしたら「それなりの人がじっくりと読めば理解できるはずです」と言い切って唖然としてしまったことがある。(私が採用したスタッフだったので、責任を持って激詰めをした)

そのような感じの資料。「読んで当然」と突き付けられているような印象を受ける。

 

正直、関与した職務や案件を羅列されても読む気が起きない。

「仕事なんだから読めよ」と言われたらそれまでなのだが、「相手が知りたいことに沿って伝える内容を決める」というのがコンサルタントの仕事の基本なわけで、それに真っ向から反している時点で適性が無いと判断・・・したいが、さすがにそれをやると通過者が皆無になる。

仕方が無いので、職務経歴書は基本的に読まない、ということにしている。

(読んだところで、脚色付き過ぎていて意味が無い、ということも大きいが)

 

職務経歴書は、これまでのキャリアで何をやって来たのか、それを踏まえて自分が何をできるのか、をアピールするもの。

「アピールする」が主眼であって「説明する」が主眼ではない。

しかし、電気製品の説明書のように、取り敢えず付いていないと体裁が整わないから付けている、という存在になっている。

 

提案書もそうだが、相手に読む気になってもらわなければならない資料は、見た目も含めて相当に工夫が必要。

提案書と報告書の違いはそこで、報告書は金を払ってやってもらった結果なので、取り敢えず頑張って聞いてくれる。しかし、提案書は読みたくなければそれで終わり。

プレゼンでカバーできる提案書以上に、それだけで判断されてしまう採用の応募書類については工夫を凝らして然るべきだと思う。

 

職務経歴書に決まった様式は無い。そもそも、職務経歴書を出さなければいけないという決まりも無い(はず)。

なので、「私を雇うとこれが嬉しい」をしっかりと伝えられるような内容にした方が良い。

 

ちなみに私はこれまでの転職時、エージェントの様式での職務経歴書は出したことは無い。PowerPointで作り、自分のセールスポイントを浮きだたせるために内容も通常の職務経歴書の「お作法」からはかけ離れたものを作っていた。

代表的な案件は時系列での記載などもしていない。先に得意な案件分類を明示した上で、それに沿って2案件程度ずつ参考として別紙にまとめた。

別にこれが良い、というわけではないが、これで戦略系ファームの選考も通っているので、間違ってはいないはず。

 

少なくとも、私が選考の側に立つと、取り敢えず「何を言いたいのか」をはっきりとさせてくれた方が有難い。

 

提出書類は、書類選考の際だけでなく、面接時には殆どの面接官も必ず目を通す。

書類を一工夫し「コンサルに必要なことが出来ている」ということを示すだけで差を付けられるのだとしたら、やらない手は無いと思う。

コンサルファームで「他の人と違う職務経歴書の様式を使っているから不合格」などという判断を下す所は無いとも思うし。

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