コンサルタントが述べるべきこと

若手スタッフの出して来るアウトプットを見ていて、「コンサルタント」という仕事を捉え違えているように感じることが多い。

具体的に言うと、「コンサルタントとは何を述べるべきか」ということについて。

コンサルタントはファクトとロジックに基づいて語るように教育される。これは特に若手の内は絶対だと考えている。
しかし、これが曲がって理解されているのか、「通説」を持って来る人が多い。

最も顕著なのは「有識者がこう言っています」というものを調査の結論として持って来る。例えばメッセージは「市場構造がこのように変化する」、根拠は「業界識者がそのように言っているから」。

これは何も価値は無い。

コンサルタントが延べるべきことは、自分自身の見立て。

「コンサルタント小暮(仮名)はこう考える」。

間違っても「誰々はこう言っている」ではないし「世の中一般的にこう言われている」でもない。

勘違いの理由は、コンサルタントが述べることに「正解が有る」という前提を持っているからだと感じる。

しかし、実際にはそうでは無い。経験・実績の有るコンサルタント10名を並べて同じ案件に同じ条件で臨んだとしても、恐らく、答えは結構異なると思う。それ位に個性が現れる仕事。

仮に自分以外100%の人が信じている通説であっても、視点を変えると見え方が変わるケースは多い。なので、世の中の通説を真っ向から否定し「私はこう考える」と述べて全く問題無い。むしろ、それでこそ価値が有る。

但し、重要なのはファクトとロジック。これらは不可欠。

この2つは、「解を出すため」ではなく「自分が述べることを裏付けるため」に存在すると考えた方が良い。

有識者の意見も、自分の見立てを補強する要素として位置付けるのは構わないが、「有識者が言っているから」という理由でそれを結論としてはいけない。

コンサルタントであれば、この点はしっかりと念頭に置いた方が良い。

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