先輩から学んでいるうちは先輩を超えられない

社会人になって、もしくは新しい職に転じて間も無い時期には、1年程度しか離れていない先輩であっても凄く見えることが有る。まして10年先輩などを見ると、到底追い付けない人に見えるかも知れない。

最初のうちは、「それらの人から学ぶ」という姿勢で良いと思う。最初からいきなり独自のやり方を習得するということは不可能。

しかし、なるべく早い時期に「先輩から学ぶ」という姿勢から脱却する必要が有ると思う。

先輩に限らず「誰かから学ぶ」という姿勢であるうちには、教えを受ける人を超えることはできない。

あくまでもその人のクローンを目指すことになるが、実際に100%のクローンになることは不可能なので、スケールを落とした、もしくは要素が欠けたコピーが作られるに過ぎない。

「守破離」

私が意識していることだが、何かを学ぶ時には、まずは師を定めてその人の「型」を学ぶ。
ある程度の「型」が出来た段階で、他の流儀に手を出してみる。
その上で、他の人の「型」から離れ、自分なりのやり方を追求する。

コンサルタントという仕事は、かなり個性が反映されると考えている。

思考の癖や性格等、個々の特性次第で、同じことをやったとしても全く違う結果が生じる。そのため、どこかの段階で「自分のやり方」を見出さないといけないと感じている。

正確には、「自分のやり方」自体を常に変化させ続けることが必要なので、何か答えが有るようなニュアンスの「見出す」というよりも「探し続ける」という表現の方が良いかと思う。

コンサルで言えば、アナリストとして入社したらアソシエイトの中でシニア~マネジャーでジュニア位の人と、マネジャーでシニア~パートナーの人、それぞれで「こんな人になりたい」という人を定め、「どうすれば近付けるのか」を徹底的に考えると良いと思う。

しかし、アナリストも終盤に差し掛かり、アソシエイトへの昇進を明確に意識する頃には、一度その人のやり方から離れる必要が有ると思う。

この場合、「離れる」というよりも、「これは違う」というような部分を意識的に感じるようなことが必要になると思う。

取り敢えず最初のうちは盲目的に、「違う」と感じてもまずは真似る、言われた通りに動くことも必要。作業の本当の意味などは最初のうちは分からないことが多いので、その段階で自分の判断で取捨するのは危険。

しかし、2年もやれば明確に「これは違う」という部分が見えて来るはず。自我が芽生える。

ここが一つの成長の転換点となり、他の流儀を見た方が良い。
(なお、他の流儀を見ても同じ部分について「これは違う」と感じるのであれば、それは自分自身の考え方が間違っている可能性が高い)

幾人もの上位者を見ていると、仕事の進め方、考え方等に色々な違いが見えて来る。上位者になるほど差が大きいと思う。

コンサルファームについては、基本的にアソシエイトの途中までは道は一本だと考えている。この段階で個性による差は大きくは出ない。思考の癖などによる得意不得意、それに伴う多少のアプローチの違いは有れ、基本的に「正しい」というものは一つ。

しかし、マネジャーに差し掛かる頃になると、少し変化が生まれる。「やり方」に個性が反映されてくる。

そして、パートナーになると、かなり癖が強いと感じると思う。結局、個性に適したアプローチ方法を取らないと、結果を出せなくなる。

まずは、幾つものやり方を見て、どういった方向性が有るのかを理解する。その上で、自分なりの流儀を模索する。

真似ではなく、様々なもののミックス+自分独自の味付け。

このような意識を持たないと、結構早い段階で成長が止まると思う。

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