「事実」と「認識」

Twitterで書いたことに関して。

採用に限らず、「事実(実態)」と「認識」は異なる。
コンサルタントの仕事を行っていて施策等を考える上で、「事実を基に」ということは基本として叩き込まれる。

コンサルタントとして提言する際に「事実」が重要なのは確かなのだが、物事を考える上で重要なのは「認識」の方だと感じる。提言する際に伝えるべき「事実」は、「認識」がどうなっているのかという「事実」。

例えば、「この会社の製品は価格が高いと顧客は認識している」とした時に、「いや、それは事実ではない。他社ときちんと比較したが、価格はむしろ安い」という反応は結構多い。
この場合、「価格が高いと顧客は認識している」という「事実」が重要。
「むしろ安い」ということが仮に正しくても、顧客がそのように認識していないのであれば意味が無い。

「認識」を軽んじる人は結構多いが、特に消費者相手のビジネスであったり、採用のような場面においては「認識」が全て。冷静に「事実」を集めて判断をする人は少なく、「認識」を基に判断する人がかなり多い。
(「事実を集める」という行動を取っても、周囲の「事実を理解していない人に意見を求める」ということが多い・・・)

結局、ブランディングというのは「事実」はどうであれ「認識」をどうさせるのか、というもの。
勿論、「事実を正しく認識させる」ことを考えることは必要だが、そのためにも、現在の「認識」がどのようになっているのかをしっかりと受け止めなければならない。

Twitterで取り上げたコンサル業界のポジショニングマップは、眺めていて面白かった。
(色々と突っ込みどころ満載・・・という面白さは置いておいて)

恐らく、「世間の認識」はこんな感じなんだと思う。自分自身が今まで、採用で非常に多くの人と会って来て持っていた「こんな感じに捉えているんだろうな」という感覚に非常に合っている。
一方で、業界内では意外とこの認識がされていない。「事実(実態)」を理解しているため、このような資料をパッと見ても「間違っている」とか「意味不明」という反応にしかならないと思う。
軸の置き方が・・・なのだが、これも「世間の認識」に近いと感じる。「顧客規模の大小」と「上流・下流」という区分程度でしか見ておらず、更に「顧客規模の大小」と「業界序列の高低」が相関すると捉えている。

ちゃんと業界研究をしてから応募して来る人ばかりであれば楽なのだが、このようなレベルで応募して来る人もかなり多く、しかも、量を確保しようとすると、そういった人も相手にしないといけない。
そのため、このような「世間の認識」を前提に施策を組み立てることが必要(だが、本当にそんな誤った認識を持っている人を採るべきなのか、という点は悩みどころ・・・)。

「認識」を直視する。「事実」とのズレを理解する。
相手があることについては、これが第一歩になると感じる。

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