「戦略コンサルタント」の存在意義

前回は「戦略コンサルタント」を仕事の流れの面から分解して考えてみた。

 

「戦略コンサルタント」とは何か

 

今回は存在意義、もしくは、企業が敢えて戦略コンサルタントを雇う意義について。

 

個人的に戦略コンサルタントの仕事の本質は、顧客が持っている思考および行動の軸・基準を作り変えることだと捉えている。
事業領域(ドメイン)やビジネスモデルなどは分かり易いが、組織形態や人事制度、経営管理なども同様。これまで顧客が当たり前に感じていたやり方を打ち破る。ここに戦略コンサルタントの存在意義(付加価値)。

 

企業は自己治癒力のようなものを持っていて、殆どの問題については自力で解決することができる。そのような局面でコンサルタントを使うのは、「人が足りない」、「(経営企画部などの発注者が)嫌われ者になりたくない」、「第三者のお墨付きが欲しい」といったような理由からだと思う。

つまり、答えを顧客側が持っていて、それを「代弁する人」に他ならない。

これらは、極論すれば、ある程度の「コンサルスキル」を持った人であれば誰でも対応できるものであり、大した付加価値に繋がらない(それなりのファームであればどこでも同じようなアウトプットを出せる)。

 

一方で、自己治癒力によって解決できないのが、顧客の中に深く浸透している思考や行動の軸・基準(価値観)に根差した問題の解決。

ここに踏み込むことができると価値が非常に大きくなる。

戦略コンサルタントの存在意義はここにあると思う。

 

しかし、現在の戦略コンサルタント(もしくは戦略系ファーム)を見渡すと、非常に表面的に「戦略コンサルタント」を装い、非常に表層的に「戦略案件」を手掛ける人が増えているように感じる。
ビジネスとして考えた時に致し方ない部分もあるが、このような戦略コンサルタントもどきの人によって、戦略コンサルタント全体の価値が低く見られているように思える。

 

「戦略コンサルタントとは何か」

 

この問いに対する答えには自分自身が至っていないが、戦略コンサルタントというものはこの問いを自問自答し続けることによって成長できるものだと考えている。

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